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大島 武; 小野田 忍; 岩本 直也; 児島 一聡*; 河野 勝泰*
Proceedings of the 8th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Applications (RASEDA-8), p.175 - 178, 2008/12
炭化ケイ素(SiC)半導体を用いた粒子検出器開発の一環として、六方晶(6H)SiCエピタキシャル基板上に作製したpnダイオードの電荷収集効率(CCE)をイオンビーム誘起過渡電流(TIBIC)を用いて評価した。特に、本研究では、作製したSiC pnダイオードに線,電子線(1MeV)又は陽子線(65MeV)を照射することで結晶損傷を導入し、CCEに与える影響を調べた。その結果、いずれの放射線の照射においても照射量の増加とともにCCEが低下することが判明し、容量-電圧測定の結果から、その低下の一要因がエピタキシャル基板のキャリア濃度の減少によることが明らかとなった。また、キャリア濃度及びCCEの低下とそれぞれの放射線の線量率の関係から、キャリア濃度枯渇係数(R)及び損傷係数(K)を見積もり、非イオン化エネルギー損失(NIEL)との関係を調べた。これまで報告されているSiやGaAsといった他の半導体との結果も含めて比較したところ、R及びKともに、NIELを用いることで線質によらない一つの関係が見いだされ、NIELがCCEの低下を記述する良い指標であると帰結できた。
齋藤 勇一; 横田 渉; 奈良 孝幸; 上松 敬; 奥村 進; 宇野 定則; 石堀 郁夫; 倉島 俊; 吉田 健一; 湯山 貴裕; et al.
Proceedings of the 8th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Applications (RASEDA-8), p.95 - 98, 2008/12
The accelerators at TIARA of Japan Atomic Energy Agency are dedicated to researches in the field of biotechnology and material science. These researches require beams of various ion species covering a wide range of energy and a number of different methods of irradiation. In order to satisfy the requirements, outstanding technologies such as microbeam formation and wide-area high-uniformity irradiation have been developed as well as accelerator technologies. The paper describes the major accelerator/ beam formation/ irradiation technologies developed in recent years.
Walters, R. J.*; Harris, R. D.*; 今泉 充*; Lorentzen, J. R.*; Messenger, S. R.*; Tischler, J. G.*; 大島 武; 佐藤 真一郎; Sharps, R. P.*; Fatemi, N. S.*
Proceedings of the 8th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Applications (RASEDA-8), p.105 - 108, 2008/12
深宇宙、すなわち太陽から非常に離れた宇宙空間でのミッションにおいてエネルギーを供給するような状況を想定し、低温環境下における高エネルギー(1MeV)電子線照射によるInGaP/GaAs/Ge宇宙用三接合太陽電池の、低強度光照射時の太陽電池の電気特性を調べた。太陽電池の特性は、電流・電圧(I-V)測定及び分光感度測定によって調べた。低温での放射線照射によって起こる劣化と、室温での放射線照射によって見られる劣化はいくらか異なっており、短絡電流は低温照射において劣化が顕著である一方、開放電圧は室温照射において劣化が顕著であった。低温照射の場合は室温アニールによる有意な電気特性の回復が見られた。
今泉 充*; 豊田 裕之*; 島田 貴信*; 小川 博之*; 田島 道夫*; 久松 正*; 中村 一世*; 高本 達也*; 佐藤 真一郎; 大島 武
Proceedings of the 8th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Applications (RASEDA-8), p.127 - 130, 2008/12
宇宙航空研究開発機構が着手している金星ミッションと水星ミッションにおいて惑星探査機がさらされる環境を模擬し、宇宙用InGaP/GaAs/Ge三接合太陽電池の電気出力に対する高温高光強度(HIHT)環境の影響について調べた。電流・電圧測定の結果、+200Cでは電流が0の付近でキンク状のパターンが現れた。また、これらのミッションの運用期間において予想される放射線曝露量を換算し、3MeV陽子線を210/cm照射した試料に対しても、同様にキンク状のパターンが確認された。さらに、HIHT環境下での熱サイクル試験及び連続稼働試験を行い、連続稼働試験では電流出力が有意に劣化する結果を得た。
普門 貴志*; 小林 一平*; 大島 武; 佐藤 真一郎; 奥田 修一*; 谷口 良一*; 岩瀬 彰宏*
Proceedings of the 8th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Applications (RASEDA-8), p.203 - 206, 2008/12
宇宙用太陽電池に対し、電子線照射と「その場」電流・電圧測定が行える装置の開発を行った。この装置は大阪府立大学放射線研究センターにある電子リニア加速器に設置され、6MeVから12MeVの電子線を-196Cから100Cの温度範囲で照射することが可能である。また、太陽電池の電流・電圧特性もこの温度範囲で測定可能である。まずは宇宙用単結晶Si太陽電池の電流・電圧特性を室温又は低温で測定し、温度可変機構が正常に動作することを確認した。また、10MeV電子線を室温で照射して電流・電圧測定を行い、この結果を1MeV電子線あるいは10MeV陽子線照射の結果と比較した。
佐藤 真一郎; 今泉 充*; 大島 武
Proceedings of the 8th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Applications (RASEDA-8), p.211 - 214, 2008/12
電子線や陽子線照射によって劣化した宇宙用InGaP/GaAs/Ge三接合太陽電池のモデリングを行い、量子効率のフィッティングから電流・電圧特性を非常に高い精度で再現できることを見いだした。また、量子効率のフィッティングの際の指標となる、ベース層キャリア濃度の減少の度合いを示すキャリア枯渇係数,少数キャリア拡散長の減少の度合いを示す損傷係数を陽子線及び電子線のエネルギーから求めたNIEL値によってスケールすると、系統的にまとめられることが判明した。この結果はつまり、放射線の種類,エネルギー,材料がわかれば、その条件に相当するNIEL値がわかり、スケーリンググラフからさらに及びを導出でき、放射線劣化を予測することが可能であることを示している。
森岡 千晴*; 今泉 充*; 佐藤 真一郎; 大島 武; 岐部 公一*
Proceedings of the 8th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Applications (RASEDA-8), p.215 - 218, 2008/12
宇宙用三接合太陽電池のトップセルである(Al)InGaP太陽電池の放射線耐性について調べた。GaAs基板上にエピタキシャル成長させたAlInGaPの膜厚は1mで固定し、アルミニウムの組成比とベース層キャリア濃度を変えた試料(セル)を作製し、3MeV陽子線を110/cm照射した。その結果、短絡電流と開放電圧の保存率は組成式がAlInGaPの場合とInGaPの場合のセルとの間に違いが見られなかった。また、ベース層のキャリア濃度に勾配をつけても耐放射線性に変化がなかったことから、(Al)InGaP太陽電池の放射線劣化は少数キャリア拡散長の減少に強く起因するものではないことが推測された。
阿保 智*; 杢野 由明*; 木野村 淳*; 小野田 忍; 平尾 敏雄; 大島 武; 岩松 俊明*; 高井 幹夫*
Proceedings of the 8th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Applications (RASEDA-8), p.183 - 186, 2008/12
テクノロジーノード180nmと90nmの2世代のSRAM(Static Random Access Memory)での放射線耐性評価を、300-1000keVのプロトン及び0.8-6.0MeVのヘリウムイオンを用いて行った。評価試料として、バルク基板上のSRAMと放射線耐性が高いとされるSOI(Silicon on Insulator)基板上のSRAMの2種類を用いた。プロトンを用いた180nmノードSRAMの放射線耐性評価では、バルクSRAMは照射エネルギーに関係なく総照射量によりハードエラーが発生することに対して、SOI-SRAMは全くハードエラーが発生しなかった。また、SOI-SRAMでのソフトエラー発生率は、SOIボディでの過剰キャリア生成量が最大となる450keVのプロトン照射時に最大となりさらに高いエネルギーでプロトンを照射した場合には、ソフトエラー発生率が減少することを明らかにした。ヘリウムを用いた90nmノードSOI-SRAMの放射線耐性評価でも、180nmノードSOI-SRAMと同様にSOIボディでの過剰キャリア生成量に依存してソフトエラー発生率が変化することを明らかにした。
岩本 直也; 小野田 忍; 大島 武; 児島 一聡*; 河野 勝泰*
Proceedings of the 8th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Applications (RASEDA-8), p.191 - 194, 2008/12
炭化ケイ素(Silicon Carbide: SiC)を基板材料として作製した金属-酸化膜-半導体(Metal-Oxide-Semiconductor: MOS)キャパシタにおけるシングルイベント効果(Single Event Effect: SEE)について研究を行った。SiC MOSキャパシタにMeV級の酸素イオンを入射し、発生する過渡電流を測定した。さらに過渡電流から電荷収集量を評価した。電荷収集量は、入射イオンが15MeVのとき最大値を示した。これは、ドリフト-拡散モデルと呼ばれるダイオードにおける電荷収集モデルとも一致する結果であった。SiC上のMOSキャパシタにおいても、同モデルを適用することで電荷収集量の評価が可能であることが明らかになった。
大島 武; 佐藤 隆博; 及川 将一*; 山川 猛; 小野田 忍; 若狭 剛史; Laird, J. S.; 平尾 敏雄; 神谷 富裕; 伊藤 久義; et al.
Proceedings of the 6th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application (RASEDA-6), p.177 - 180, 2004/10
炭化ケイ素半導体(SiC)を用いた耐放射線性検出器開発のために、15MeV酸素マイクロビームが入射することでSiC pnダイオード中に誘起される過渡電流を調べた。SiC pnダイオードは、p型六方晶(6H)SiCエピタキシャル基板に高温(800C)リンイオン注入後アルゴン中で1650C,3分間の熱処理をすることでn層を形成し、作製した。過渡電流は原研高崎TIARAタンデム加速器に接続された単一イオン入射過渡イオンビーム誘起電流(TIBIC)システムにて評価を行った。その結果、印加電圧の増加とともに過渡電流シグナルのピークが高くなり、かつ収集時間が短くなることが観測された。この結果は、印加電圧の増加とともに電界強度が強く、空乏層長が伸びることで説明できる。過渡電流シグナルを積分することで収集電荷を見積もったところ、印加電圧の増加とともに収集効率が上昇し、100V以上では100%の収集効率であることが確認できた。
大島 武; 伊藤 久義
Proceedings of the 6th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application (RASEDA-6), p.191 - 194, 2004/10
炭化ケイ素(SiC)半導体を用いたpチャンネル金属-酸化膜-絶縁体電界効果トランジスタ(MOSFET)を高線量まで計測可能な線量計へ応用するために、線照射による電気特性の変化を調べた。pチャンネルMOSFETはn型六方晶(6H)SiCエピタキシャル基板上にフォトリソ技術を用いて作製した。ソース及びドレイン領域は800Cでのアルミイオン注入及び1800C,10分間の熱処理により形成した。ゲート酸化膜は1100Cでの水素燃焼酸化により作製した。線照射は0.1MR/hで、室温,印加電圧無し状態で行った。電流-電圧測定を行った結果、しきい値電圧は線照射により単調に負電圧側にシフトすることが明らかとなった。さらに、subthreshold領域のドレイン電流-ゲート電圧特性を解析することで線照射により発生した酸化膜中固定電荷及び界面準位を見積もったところ、固定電荷と界面準位は照射量とともに増加すること、及び固定電荷は110/cm、界面準位は810/cmで飽和傾向を示すことを見いだした。また、チャンネル移動度は、線照射量の増加とともに減少する結果が得られた。これは、界面準位の発生によりチャンネルに流れるキャリアが散乱されることに起因すると考えられる。
岩田 裕史*; 鏡原 聡*; 松浦 秀治*; 川北 史朗*; 大島 武; 神谷 富裕
Proceedings of the 6th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application (RASEDA-6), p.143 - 146, 2004/10
宇宙用シリコン(Si)太陽電池の高線量域での特性の急落現象は多数キャリア濃度の減少によることが明らかとなっているが、この現象を詳細に解釈するために、製造方法(CZ法,FZ法),不純物の種類(ボロン(B),アルミ(Al)及びガリウム(Ga))及び濃度の異なるp型Si基板に10MeV陽子線を照射し、多数キャリア濃度の変化を調べた。キャリア濃度はホール計数測定により求めた。その結果、2.510/cmの陽子線照射により、CZ法で製造された全ての基板は、多数キャリアの種類が正孔から電子へと変化することを見いだした。一方、FZ法で製造した基板は同様な陽子線照射を行ってもキャリア濃度は減少するものの多数キャリアは正孔のままであった。FZ法はCZ法に比べ残留する酸素不純物の濃度が少ないことより、酸素関連の欠陥が多数キャリアの逆転に関与していると示唆される。
佐藤 隆博; 及川 将一*; 酒井 卓郎; 奥村 進; 倉島 俊; 宮脇 信正; 福田 光宏; 横田 渉; 神谷 富裕
Proceedings of the 6th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application (RASEDA-6), p.207 - 210, 2004/10
日本原子力研究所高崎研究所のAVFサイクロトロンにおいて、空間分解能1mの走査型集束方式高エネルギー重イオンマイクロビーム形成システムの開発を行っている。これは、半導体デバイスの放射線耐性試験や生物医学におけるマイクロサージェリーに用いられる。スリット, ビームスキャナ, 四重極電磁石等の主要な機器の設置は2002年に終了し、2003年から試験運転を開始したので、これまでの結果について報告する。
新藤 浩之*; 久保山 智司*; 池田 直美*; 大友 洋光*; 島田 修*; 平尾 敏雄; 松田 純夫*
Proceedings of the 6th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application (RASEDA-6), p.63 - 66, 2004/10
最先端LSIにおいて単一プロトンが入射することにより形成されるバルク損傷が引き起こす新たなエラーの発生についてその観測と評価を実施した。対象とした素子は256MbitSDRAM及び16MbitSRAMである。これらの素子に対してプロトン照射を実施し、データ保持能力が照射前後でどの程度変化するのか測定した。その結果、従来知られているトータルドーズ効果等では説明できない新たな特性劣化現象を見いだした。この現象は動作温度にも大きく依存し、特に50C以上の高温で動作させた場合、仕様で保証された以下に特性が劣化することが確認された。
平尾 敏雄; Laird, J. S.; 小野田 忍; 芝田 利彦*; 若狭 剛史; 山川 猛; 阿部 浩之; 高橋 芳浩*; 大西 一功*; 伊藤 久義
Proceedings of the 6th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application (RASEDA-6), p.105 - 109, 2004/10
SOI半導体素子のシングルイベント耐性を検証するため、SOIの代わりに構造の単純なMOSキャパシタを用い、シングルイベント過渡電流波形の測定を実施した。得られた過渡電流波形を積分して求めた収集電荷量とシュミレーションを用いて計算した収集電荷量の比較から、過渡電流が変位電流に起因することを突き止めた。
高橋 芳浩*; 芝田 利彦*; 村瀬 祐児*; 大西 一功*; 平尾 敏雄; 神谷 富裕
Proceedings of the 6th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application (RASEDA-6), p.111 - 114, 2004/10
MOSデバイスに重イオンが入射した時に誘起する電流について探求した。酸化膜厚50200nmのMOSキャパシタに18MeV酸素イオンまたは150MeVアルゴンイオンを照射し、発生する過渡電流をTIBICシステムにて測定した。MOSキャパシタで誘起する過渡電流について計算機シミュレーションを行った。その結果、MOSキャパシタに重イオンが入射した時に生じる過渡電流は、イオントラック領域から移動した電荷によってゲート直下の表面電位が変化し、これに伴い発生する変位電流が要因であることが判明した。
Laird, J. S.; 平尾 敏雄; 小野田 忍; 若狭 剛史; 山川 猛; 阿部 浩之; 神谷 富裕; 伊藤 久義
Proceedings of the 6th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application (RASEDA-6), p.125 - 129, 2004/10
人工衛星に搭載されているオプトエレクトロニックデバイスの一種であるフォトダイオードで発生するシングルイベント効果の発生機構を解明するために、イオン及びレーザ照射を行いシングルイベント過渡応答を調べた。Si PINフォトダイオードで発生する過渡電流は、両極性及び極性の2つの期間に分類できることがわかった。前者は空間電荷(SC)効果が原因であると判明した。さらに、デバイスシミュレータを利用した計算より、過渡電流は電子及び正孔の誘導電流及び変位電流の総和で表されることが明らかになった。一方、GaAs MSMフォトダイオードで発生する過渡電流はSi PINフォトダイオードと比較して、SC効果の持続時間が短い結果が得られた。この違いは、素子構造が異なることによって、MSMはPINフォトダイオードと比較して、デバイス中に付与されるエネルギーが小さいこと、及び表面効果が大きいこと等が原因であると考えられる。
阿部 哲男*; 大西 一功*; 高橋 芳浩*; 平尾 敏雄
Proceedings of the 6th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application (RASEDA-6), p.157 - 160, 2004/10
シングルイベントアップセット(SEU)耐性をレーザ試験により簡便に評価することは、進展が早く多種である民生デバイスの耐性評価にとって有用である。本報告では、メモリ素子であるSRAMに対する重イオン照射試験を実施し、照射粒子数が比較的少ない条件でSEU反転断面積を求める方法を検討するとともに、その試験結果とレーザ試験との相関を得た。
久保山 智司*; 池田 直美*; 平尾 敏雄; 松田 純夫*
Proceedings of the 6th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application (RASEDA-6), p.165 - 168, 2004/10
パワーMOSFET及びバイポーラトランジスタの破損を引き起こすシングルイベントバーンアウト現象はこれまでデバイスシミュレータで再現することが困難であり、その詳細な発生メカニズムは完全には理解されていなかった。われわれは、重イオンの飛跡に沿って発生するプラズマコラム中ではキャリア及びフォノンが高密度で存在することから、通常よりも高い頻度でバンド間トンネリングが発生すると仮定することにより、実験で得られたデータとよく一致するシミュレーション結果を得た。本ワークショップではシングルイベントバーンアウトのモデル開発について報告し、議論する。
福井 大伸*; 濱口 雅史*; 吉村 尚夫*; 親松 尚人*; 松岡 史倫*; 野口 達夫*; 平尾 敏雄; 阿部 浩之; 小野田 忍; 山川 猛; et al.
Proceedings of the 6th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application (RASEDA-6), p.169 - 172, 2004/10
近年の半導体製造技術の発展に伴う素子の微細化には、幾つかの問題が存在する。その一つに宇宙線によるソフトエラーの発生増加が挙げられる。ソフトエラーの増加は、システムの不良に直結し、その結果、社会基盤に重大な影響を与えると予想される。今後、性能向上、コストの低減を目的として最小寸法が50nm以下の超微細CMO SLSIの量産を実現するうえで宇宙線に起因するSEU(Single Event Upset)の防止策の確立を図ることは、必要不可欠である。本研究の目的はソフトエラー耐性の高い素子を備えた回路の設計指針を得ることである。この一環としてCMOS素子に、日本原子力研究所高崎研究所のサイクロトロンを用いて、20, 50, 80MeVのプロトン照射を実施し、それぞれのプロトン照射で生じるエラー数と照射量との関係からSEU反転断面積を調べた。その結果、入力レベルが高(High)の時のSEU反転断面積は入力レベルが低(Low)と同じであること、さらにSEU反転断面積は照射エネルギー50MeV近傍で極大値を持つことがわかった。